2015.10.19 - 2015.11.01
小山内大輔 Daisuke Osanai
unconscious
名付けられた風景、場所。人間による、人間の為の空間。あらゆるものが既知である以上、何の疑いを持つことはないだろう。しかし、我々はその既知なるものに戸惑いを覚える。そう疑った時には既知と未知の狭間にいて右か左か、目は開いているのか閉じているのか、現実かフィクションか分からない。「とりあえず靴ひもは結んであるんだから歩けるだろ?」と聞こえた気がして踏み出してみる。
Step1
「知」という言葉を使うこと自体フェアでないのかもしれない。なぜなら、それは人間側での話でしかないから。与えられた形は既知と既知との交換であって、「既に知っていた」ことで満足だけに終始する。
Step2
そもそもを形成するのは物質であり、これにはまっとうな責任は無いし、人間に関心もない。それは私の意識に委ねられない、完膚なきまで見せつけられる無意識性の集合体であるのだろう。
Step3
個人の思い込みには何の関心も払わず、現実的に超然と具体的に実際を以って在る事実。そして今や充足している沈黙である。存在と沈黙をまとった世界に写真は北風にも太陽にもなれない。光に撫でられたその像は諦めではなく、限りなく恍惚とした錯綜だ。
そして私は真に知れない。
[略歴]
1980年青森県生まれ
夜の写真学校18期修了、フリーカメラマン
[写真展]
2010年「物質の行方」Place M
2012年「Place M25周年記念展」M2gallery
2013年「ROOMS floor-02 portfolio exhibition」M2gallery
2013年「am3:30-5:30」TOKYO LIGHTROOM
2015年「彼女ら」TOKYO LIGHTROOM